ある年、北海道のテレビ局からの間い合わせで、私は岩盤浴と出会いました。 「今、北海道では、若い人の間でガンバンヨクというものがブームです。人気の秘密は気持 ちのいい汗がかけるからです。これはどうしてでしょうか?」
さっそく私自身、岩盤浴を体験してみました。その結果は、汗の専門家の私か驚くほどの、 実に気持ちのいい「サラサラ汗」でした。テニスやゴルフのあとでもかけないような汗です。
「岩盤浴は汗かき健康法として画期的な入浴法だ」
そう確信した私は、以来「ガンバンヨク」の素晴らしさや効用を多くのメディアで伝えて きました。そのためか、『岩盤浴の伝道師』などと鄭楡されることもあります。岩盤浴の普 及を心から願う私としては、皮肉としてではなく好意的に受け止めています。
しかし私は、岩盤浴を布教するつもりも、読者の皆さんを洗脳するつもりも毛頭ありませ ん。なにしろ岩盤浴には、布教も洗脳もまったく必要ないからです。
岩盤浴は、一度でも体験すれば、その素晴らしさをまさに肌で実感して虜になってしまう からです。ことさら私などが布教せずとも、自然に普及してゆく、 それはどいいものなのです。
しかし、岩盤浴が世間で正しく理解され、健全に発展していくには「とにかく素晴らしい から体験してください」では通りません。多くの人が新しい物事を受け入れるには、カラダ だけでなくアタマでも納得できる理屈や理由が必要だからです。
「岩盤浴の伝道師」としての私に与えられた役目は、「なぜ岩盤浴でいい汗がかけるのか?」 「いい汗は体にどんなメリットがあるのか?」「逆に、汗をかかないとどうなるのか?」「岩 盤浴がなぜダイエットになるのか?」「岩盤浴では自然治癒力が高まるのか?」等の素朴な 疑間に医学の立場からわかりやすく説明することです。そして、生まれたばかりの岩盤浴が しっかりと成長するために、正しい方向を示すことだと思っています。
岩盤浴は、日本で生まれた「入浴文化」として誇れるものでしょう。
岩盤浴の発祥は、秋田県の玉川温泉です。玉川温泉は、重い病気を患う人の湯治場として 昔から有名です。
しかし、今、ブームとなっている「ガンバンヨク」には湯治のイメ九ンはありません。全 国の岩盤浴ブームをリードしてきたのは若い女性です。岩盤浴サロンのほとんどは、リラク ゼーションやダイエットのためのウェルネス施設として利用されています。
私はそれでもいいと思います。
ただし、「優れた入浴文化」であるなら、子どもや高齢者も含めたもっと幅広い層の人々 も利用できるはずです。岩盤浴は治療施設ではありませんので「○○○の病気が治る」とか「× ×に効く」などの効能を謳うことはできません。しかし、本書で説明するように、岩盤浴の 遠赤外線とマイナスイオンの相乗作用は、身体を芯まで温め、いい汗をかける体質をつくり、 代謝力を高め、血行を盛んにして、体内の毒素も排出し、免疫力や自然治癒力を向上させて くれます。つまり、岩盤浴は、「デトックス」や「アンチェイジング」ともなるのです。
だからこそ岩盤浴は、決して若い女性だけの独占物ではなく、元気な人も健康がすぐれな い人も、老若男女を問わず、手軽に利用できる「発汗健康法」なのです。
私は、近い将来、岩盤浴施設が全国の主要な都市の駅前にあまねく出現することを「予言」 します。そのような岩盤浴は、「湯治のための岩盤浴」とは全く違った、新しい入浴文化と しての「駅前岩盤泉」といってもよいでしょう。
岩盤浴が、一時的なブームを越えて根づいていくなら、汗をかけなくなった現代人にとっ て、今まで考慮もされなかった「発汗して健康になる」という新しい健康法が国民の健康増 進に貢献してくれることでしょう。
このサイトは、これから岩盤浴を利用しようとする人、今まで以上に岩盤俗について知りたい 人へのガイドラインとして書きました。さらにこの本をさきがけとして岩盤浴が浸透し、今 後日本人の新しい生活文化となるなら、汗の専門医としてこれにまさる幸せはありません。
真夏のビーチでひと泳ぎしたあと、砂を掘って首まですっぽり埋まる「砂風呂」の経験は、 どなたもおありでしょう。灼けつく太陽の陽射しと違った柔らかな暖かみは、真夏でも心地 いいものですね。
岩盤浴の基本は、これと同じです。
天然の鉱石や加工された岩盤を温めたものがあって、その上に横たわって遠赤外線を味わ うものです。そこにマイナスイオンが加わります。
「それだけ?」と思われそうですね。
たしかに仕組みはとてもシンプルですが、岩盤浴の世界は奥深い魅力があります。
私の故郷は信州で、子ども時代は夏の川でさんざん遊んだものです。そうして冷たい清流 で身体が冷えると、太陽で温まった河原の大石に抱きついたものでした。あのとき味わった、 大地に抱かれるような心地良さが、今思えば私の岩盤浴の原点です。|
|
|