ダイエットでは、体脂肪の減少は「目的」ではなく、あくまでもエネルギー代謝の「結果」なのです。そのためには、子分な脂肪が消費されるような「高代謝=燃焼系」体質を維持することが大切なのです
そもそもダイエットについて、私は以前から医師として気になることがありました。
それは、過剰な食事制限です。
ダイエットは食事制限のみでは成功は期待できません。
そもそもの間違いは「身体に入れるものを抑えれば、いずれ体重が減るだろう」という安直な発想にあります。
「食べなければ体重は増えない」という論法で「だから増えないように食事を抑える」と結びつけるダイエットは、不健全。背風にいえば、不養生です。
特に育ち盛りの若い方々が、生きていくために必要な食事を削ることは、そのまま命を削ることになりかねません。
「体重を増やさないために食べない」という守りの発想でなく「食べても燃やしてしまえる身体をつくる」という前向きの方策を考えるべきです。それが岩盤浴による「食べながらダイエット」の基本です。
食事を制限するよりまず大事なことは、身体が蓄えてしまった脂肪を燃やすことです。もう少しいえば、「燃やすクセ」をつけることです。燃やされた脂肪がエネルギーと熱を作り、最後に水と二酸化炭素に分解されて、ようやく本当の「減量」となるからです。
「脂肪を燃やすクセ」をつけるというのは、要するに代謝を活発にすることです。
それもいっときだけではなく、高代謝が持続する体質にするということです。
そのような体質にするためには、燃焼力を高める「運動療法」や、代謝をサポートするミネラルなどを補う「食事療法」も大切です。それをしないで食事制限ばかりを続けると、やがて遠からず、「もうこれ以上減量できない!」という壁に必ずぶつかります。ぶつかって跳ね返る……リ、バウンド(逆太り)の泥沼ですね。
これは、極端に食事を制限することで、代謝に必要なエネルギーまで制限されるからです。代謝系が燃焼しなければ、いくら食事を抑えても脂肪は消費されません。
さらに、この「食事を制限してもやせない」という手詰まり状態が長く続くと、脂肪から分解された脂肪酸が行き場をなくして血中に増加します。この脂肪酸が、別な経路でケトン体に合成されるとニオイがでてきます。これが私か命名した無理なダイエットによる「ダイエット臭」というニオイの正体です。
ですから、今までダイエットに失敗した人の多くは、「ストック」を重視し、「フロー」を軽視していたためです。つまり、貯蔵された体脂肪(ストック)の減少ばかりに心が奪われ、脂肪の燃焼が永続的に行われるエネルギーの流れ(フロー)を無視しているのです。体脂肪の減少(ストックの減少)とは、身体全体の大きなエネルギーの流れの中の一つの「現象」にすぎません。
エネルギーの流れを燃焼系へと転換することで、脂肪燃料への需要も相対的に増加し、その結果脂肪が消費されることで、体脂肪の分解と減少がもたらされるのです。
ですから、ダイエットでは、体脂肪の減少は「目的」ではなく、あくまでもエネルギー代謝の「結果」なのです。そのためには、子分な脂肪が消費されるような「高代謝=燃焼系」体質を維持することが大切なのです。