皆さんは、ここで岩盤浴の毒素排出に関して大きな疑問をもつでしょう。さきに私は次のように説明しました。「岩盤浴は体の芯から温まり、じっくり・ゆっくり汗をかくので、いい汗がかける。いい汗は、血漿成分が少ないので水に近いサラサラ汗です」と。
しかし今回は「有害金属は、たくさんの汗を一気にドッとかけばそれだけ多く排出される」といっています。つまり、岩盤浴で、いい汗をかけば、有害金属はあまり排出されないことになり、岩盤浴の毒素排出効果は少ないことになります。
その通りです。けれども矛盾はしていません。実は、汗からの有害金属の排出作用は、岩盤浴の特権ではないのです。どのような汗でも、
大汗をかけばかくほど金属は排出されるのです。これはサウナでもスポーツでも同じです。むしろサウナのように一気に汗をかくほうが効果的でもあります。
では、岩盤浴は、デトックス効果が乏しいのでしょうか?
岩盤浴ファンの皆さん。がっかりしないでください。岩盤浴のデトックス効果は絶大です。しかしその作用は、汗によるものではありません。 岩盤浴は実に要領よくデトックスの指揮を執ってくれるのです。
まず、体外毒素を出すときは、主に「皮脂腺」と「腎臓」の両方を働かせます。
そして、体内毒素を出すときは、主に「腎臓」を働かせます。
まず「体外毒素」です。有害金属は水に溶けにくいため、脂肪(皮脂)と悪友になってすみつく傾向があります。
まず岩盤浴の遠赤外線の共鳴振動作用で、皮脂腺の分泌機能を盛んにします。さらにマイナスイオンが皮脂の酸化を予防して、皮脂腺の詰まりを改善します。このコンビネーションで、新鮮な皮脂がどんどん皮膚面に放出されるのです。もちろん、悪友の有害金属も容赦ありません。
というわけで、たしかにいい汗には有害金属の含有量が少ないにしても、こうして皮脂腺から脂肪と一緒に排出される量をトータルでみれば、岩盤浴による「体外毒素」の排出力は優れたものといえるでしょう。
しかし、毒素を排出する主役は、やはり「尿」です。岩盤浴でいい汗をかくと、代謝が盛んになり、血行が良くなります。全身の血液は、一日に40回以上も腎臓を通って、そのたび老廃物を排泄しています。山手線がぐるぐると回っているようなものです。しかし代謝が悪くて冷え性の人は、この山手線の電車の本数が非常に少なく、そのぶん「腎臓駅」を通過する回数が少ないのですから、老廃物が体内にたまりやすいのです。
ところが、岩盤浴で代謝が高まり、血液の流れが良くなると、より多くの血液が腎臓という駅を通過することになります。乗客が吐き出されるように老廃物や有害金属が尿として排泄されることになるのです。岩盤浴のあと、必ずトイレに行きたくなるのはこのためです。
つまり、岩盤浴でいい汗をかけば、それだけ多くの老廃物が尿として排泄されて、腎臓の本来の役目が十分果たせるようになるのです。そのためにも岩盤浴の前・入浴中・入浴後には水分摂取が必要ですが、それは単に汗で失われた水分補給という意味だけでなく、「デトッ
クス水」にもなるからです。
「いい汗をかいて健康に」というのが本書の基本です。岩盤浴をめぐる色々な疑問、問題も、全てこの基本に立ち戻って考えることが肝腎です。その基本の通り、岩盤浴では、汗腺から水のようなサラサラのいい汗をかけばよいのです。
しかし岩盤浴は、汗腺だけに苦労をかけたりはしません。汗腺がいい汗をかいている間に、知らず知らず、皮脂腺の分泌を盛んにし、さらに腎臓の血行も盛んにすることで、全体としての毒素の排出機能を高めているのです。
おさらいします。いい汗をかいて代謝を高めるのは汗腺の役目。毒素の排泄は、主に皮脂腺と腎臓の役目。
岩盤浴ならではの、見事なチームプレイです。このような、毒素排出システムのことを、私は「発汗デトックス」と呼びたいのです。