人間の自律神経には二つあります。一つは交感神経で、もう一つが副交感神経(迷走神経)です。この両者は、自動車のアクセルとブレーキのように協調して働きます。
例えば、心臓の心拍は交感神経で先進し、副交感神経で抑制されます。逆に、胃腸の嬬動は副交感神経で先進し、交感神経で抑制されるといった具合です。 ところが不思議なことに、汗腺の機能を調節する自律神経は交感神経のみなのです。これは自動車のスピードをアクセルだけで調節しなければならないのと同じです。非常に難しい操作です。
汗腺が汗をかくということは、交感神経のみで発汗を調節するという難杵業を強いられるのです。大量の汗をかくということは、交感神経のみが優位な緊張状態が持続するということです。
一方、人間をリラックスさせるのは副交感神経です。実は岩盤浴ではたくさんの汗をかきながらリラックスしています。これは、岩盤浴で汗をかくときは、交感神経のみでなく、それと同時に副交感神経も十分に働いていることを意味します。
岩盤浴では、交感神経と副交感神経のどちらか一方に偏らず、仲良く共働きするのです。 身体を活動的にするのは主に交感神経であり、休ませるのは副交感神経です。
その意味では、一般に「ハツラツ」という表現を交感神経に、「リラックス」という表現を副交感神経にあてるのは、妥当でしょう。
しかし、「リラクゼーション」と「ただのリラックス」とは違うものです。
「リラクゼーション」とは、心はリラックスしていても、体の芯はハツラツと活動している状態をいうのです。
「リラクゼーション」とは「リラックス」+「ハツラツ」なのです。
気持ちよくゴルフができるときなど、まさにその状態ですね。日常のストレスから解放されて穏やかな気持ちになり、それでいて身体にはエネルギーが満ちています。
岩盤浴の汗も同じです。ロココが穏やかになり、体全体の汗腺が活気に満ちて汗をかくものです。これが本当の「リラクゼーション」の意味です。
昔から「額に汗して働く」という言葉がありますが、本来汗をかくことは辛いことではないのです。気持ちいいこと。落ち着くことでもあるのです。
エアコンの普及でちゃんとした汗がかけなくなった現代にあって、岩盤浴の本当の効用は、今まで重要視されなかった「汗腺」という小さな存在の大きさを、私たちに再認識させてくれたことかもしれません。