「人類の文明は汗のたまもの」なのです。私たちが今あるのは、汗のおかげといっても過言ではないでしょう。一つは、人類が「額に汗して働く」ことで、文明を築き上げてきたからです。もう一つは、汗が人間の脳の進化を支えてくれたからです。
私たちの身体は、心臓や肺や腎臓といったさまざまな器官で作られています。
ご飯を食べれば胃が消化してくれます。走ったときは心臓が力強く鼓勤し、深呼吸をすれば肺が膨らみます。私たちはこうした器官を、いわば身のうちとして大事にしています。
ところが、夏の暑い盛りに大量の汗をかいたとき、あなたは汗腺のありがたさを感じるでしょうか? むしろ逆でしょう。
「こんな汗だくで不愉快だ」
「汗のおかげで臭くなる。こんな汗腺がなければもっと快適だろうに」
と汗腺を疎ましく思うことのはうが多いでしょう。まして感謝などとんでもない……と。
しかしです。
「人類の文明は汗のたまもの」なのです。私たちが今あるのは、汗のおかげといっても過言ではないでしょう。一つは、人類が「額に汗して働く」ことで、文明を築き上げてきたからです。もう一つは、汗が人間の脳の進化を支えてくれたからです。
人間が進化したのは、脳が進化したからです。その脳を進化させるために、温度の変化からひたすら守ってくれたのは汗腺であり、汗なのです。動物の中で最も脳が発達しているのは人間であることは誰でも知っていますが、どんな動物よりも汗かきなのも、やはり人間です。汗腺の発達が脳の進化を支え、脳の進化に応じて汗腺も改良されるという具合に、脳と汗腺はニ人三脚で文明を発達させたのです。