岩盤浴と汗

体温を調節する仕組み

私たちが体温を調節する仕組みは、大きく分けて3種類あります。

まず、体温より外気が低い場合には、自然と熱が体外に出ていきます。これを放射といいます。冬の戸外にいて身体が冷えてくるのは、身体が熱を放射してしまうからです。

2番目が伝導対流です。身体から周囲の空気に体温が伝わっていくものです。冷たいプールで泳いでいると冷えてくるのは、この原理です。

そして3番目が蒸散です。汗が蒸発するときに皮膚から気化熱を奪ってくれるものです。暑い夏に打ち水をして涼を取るのと同じです。人間の場合は、皮膚からの蒸散だけでなく、息を吐いたときの水蒸気でも起こります。そういえば、犬も暑いときに舌を出してハアハアしていますね。あれも基本的には同じです。

こうして3種類並べた中で、最も効果的なのはどれだと思いますか?

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汗はなくてもいいの?

人間にはなぜ汗が必要なのでしょうか?

人間は、生きるためにエネルギーが必要です。そのためには食べなければなりません。食べたものを身体の中にある酵素が栄養素を分解したり、合成したり、そんなやりくり算段を代謝といいます。

代謝は、エ不ルギーを生み出す大事な活動です。それでも食べたものが全部エネルギーになるわけではありません。

例えば、骨格筋という骨に沿って働く筋肉では、絶えずエネルギー加熱になって発散されます。自動車のエンジンが動くと熱くなるのと同じです。私たちも食事をすると然くなりますが、これも代謝が活発になって、熱が発生して体温を上げるからです。

さて、このように代謝のときに働く酵素は、温度が上がると仕事のスピードもアップします。つまり私たちが食事をすると酵素がもりもり代謝をはじめて、体温が上がるのです。その理屈でいくと、こうして体温が上がった分、また酵素が頑張って代謝をスピードアップさせ、それで体温が上がって、その分さらに酵素がパワーアップして……と体温がらせん階段のように上昇していくことになりそうですね。そんなふうに体温が上がっていくと、いったい最後はどうなるのでしょうか。

例えば、今、体温が10℃上がったと考えてみましょう。そうすると、細胞の中での代謝のスピードは2倍になります。しかし、実際には私たちの体温が10℃上がることはありません。

それは、約45℃で身体の大事な成分であるタンパク質が変性して破壊されてしまうからです。体温計の目盛りのL限が50℃もないのはこのためです。

私たちは食事のたびに熱が上がって死んだりはしませんね。

なぜでしょう?

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ちゃんと汗をかけない時代

私か岩盤浴をすすめるのは、理想的な、サラサラ汗がかけるからです。

私は汗の専門医として、20年以上、多くの患者さんと接してきましたが、このところの汗をめぐる問題については、流れが急激に変化しています。

これまでの汗の悩みは、「人前で自分の意思に反して大量の汗をかいてしまう」という多汗によるものが多数でした。なによりご自分で意識されている汗の悩みでした。しかし、現代の間題は、「汗が上手にかけない」人が増えているということです。そして多くの場合、多汗の方とは正反対に、自分の健康と汗をかけないこととの関係を十分認識していないことです。

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